先日も紹介しましたが、工房予定地にアメリカから個人輸入した大型の木工機械が届きました。

Webで注文してから、配達されるまで約3ヶ月。大きなハプニングはなかったものの、初めてのことが沢山あり、とても面白い経験でした。

今回は、その輸入にあたっての記録をまとめてみました。僕と同じように「パレット単位のやたらと大きな荷物」や「外国製木工機械」を個人で輸入しようなどという“Think Different”な皆さん(かっこよく言いすぎ?)の参考になれば幸いです。


概要

個人輸入といっても、国際宅配便で送れるような本や雑貨の購入方法はわりとと簡単で、ネット上を探すといくつか出てきます。Amazon.comからの注文などは、かなり気軽に行えるようになってきているようです。

しかし、この記事は

  • 宅配便レベルを超える規格外の荷物(というより貨物)を個人輸入すること
  • 木工機械というちょっと特殊なものを輸入すること

に重点をおいて構成しています。こういった個人輸入に関しては、ネット上にもあまり情報がありません(そんなことをする人自体が少ないからだと思いますが)。

具体的にポイントとなるのは、

  1. 普通の宅配業者ではなく、Forworderと呼ばれる専門業者に依頼する
  2. そのような商品はたいてい高額なので、効率の良い支払い方法を考える
  3. 電気製品の場合、そもそも使えるのかを確認する

といった事です。特に1,2は事前の情報がないと不安が多いところです。

全体の流れ

まず、簡単に全体の流れを説明します。

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これが、全行程のおおまかな経路・経由地と位置関係の図です。アメリカを横断してさらに太平洋を渡る大移動です(たぶん1万4千km以上)。

では、ここに出てくる名前の解説をします。

登場人物

いや、人物じゃないですが。
今回の輸入に関わった企業・機関など

FELDER USA EAST

荷物の送り主。木工機械の製造・販売をする会社。
省略形:FELDER

Yamato Global Logistics Japan

ヤマト運輸のグループ会社。Yamato USAとの連絡、日本での通関(税関を通すこと)、配達など。輸入に関しては、すべてここを通してやり取りしました。
省略形:Yamato Japan

Yamato Transport USA

アメリカ版クロネコヤマト。今回は、FELDERと日程調整をして、荷受と船に乗せる仕事をしてくれたもよう。
省略形:Yamato USA

Tokyo Custom

なんとなく英語にしちゃいましたw
税関は、荷物の中身をチェックして、関税・消費税を請求するところ。ここで引っかかると、日本に着いても、なかなか届かない。
省略形:税関

相関図

情報(連絡・打ち合わせ・発注など)、お金荷物という3つの流れ・つながりを簡単にまとめました。

線のつながってないところは、直接のやり取りをしてないってことです。後からも出てきますが、とりあえず、軽く頭に入れてお読みください。

目次のようなもの

  1. 情報収集と問い合わせ
  2. 機械代金の海外送金
  3. Yamato Global Logistics Japanとの打ち合わせ
  4. アメリカ国内輸送〜出港
  5. 通関手続き
  6. 到着
  7. 費用明細

では、ここから僕が実際にやってみた方法を順番に説明します!

1.情報収集と問い合わせ

はじまりは、機械をつくっているFELDER直営の中古機販売店で、まさに求めていた機械を発見したところから。

国内の中古市場ではほとんど出回らない機械で、計算すると値段も国内で新品を買うより驚くほど安い!

これは、個人輸入をする価値もあるかもしれぬ、と情報収集を始めました。

※ちなみに、実物を見ないで中古を買うのはリスキーですが、今回のは本社ショールームの展示品だったため、ほぼ新品の折り紙付き。

参考になったサイト

そもそも、こんな大きな機械を個人輸入出来るのだろうか?と気になったので、まずは実例探し。

この2つはかなり参考になりました。若干情報が古かったものの、ほぼ同じ手順で輸入することが出来ました。

輸入業者はどちらでも紹介されている、ヤマト運輸の輸入支援サービスが良さげ。ということでφ(..)メモメモ…

あと、機械が日本で動くのか。これは、日本の代理店さんに確認したところ「問題ないだろう」との回答を頂きました。また、以下の記事が裏付け的なデータとして参考になりました。

今回の場合だと

機械の仕様:230V 60Hz
長野の電気:200V 60Hz

なので、トルクが多少下がるだけで、使用は問題ないです。

さっそく問い合わせ

とりあえず、輸入すること自体は問題なさそうだと判断。

今度はFELDER USAに「ヘイ!これを購入したいんですが!送り先は日本なんですが!(英語)」という問い合わせ。
続いてYamato Global Logistics Japanに「これこれこういう荷物を輸入したいので、運賃の見積もりをしてください。」という問い合わせをそれぞれ送りました。

※実はこの時、日通さんにも見積もりを取ったのですが、個人輸入には対応していないのか、なんの返事もありませんでした。ざんねん。

FELDER USAは、日本の代理店とも相談して頂いたようで「個人の責任でアメリカ側と直接やり取りをするならば日本への発送もOK」との回答!
Yamato Global Logistics Japanからは「荷降ろしの現場の確認と説明のため、一度伺います」と連絡が来ました。

※ちなみに僕自身は、英語は何とか読めるものの、作文ができないので、無駄にフランス語もできる父に翻訳してもらい、メールしました。

2.機械代金の国際送金

FELDER USAと数回やり取りの後、簡単な契約書にサインしてメールで送信。今度は、代金のお支払いです。

海外送金は難しい

海外への送金は国内と違って複雑で、うっかりするといろんな所で損をしてしまいます。具体的には下記のような原因があります。

  1. 送金手数料の高い支払い方法
  2. 両替時の為替レート
  3. 送金中の取られたり取られなかったりする、いろんな名目の手数料

1の場合

海外の支払いで一番便利なのは、クレジットカードだと思いますが、高額になってくると、結構手数料がかさみます(そもそも限度額以上で払えない場合もあります)。

また、一般的な銀行の海外送金手数料は高めのようです。

2の場合

1$につき1円の差でも、高額送金になると、万単位の差額が発生するので、為替レートがはっきり確認でき、素早く両替出来る方法がベスト。

また、為替レートに両替手数料が数%プラスされていることが多いですが、これも馬鹿になりません。

※ちなみに今回の送金は約1,5000$なので1円の変動で1,5000円の差額

3の場合

これは特に厄介で、

  1. 金額が明確に示されていない手数料がある
  2. しかも足りなかった場合、受取金額から差し引かれる
  3. 結果、きっちり振り込めないかも…

なんだその謎ルールは!と思いましたが、それが海外送金の暗黙の了解(?)となっているようです。

これを回避する方法は、

  • 受け取り側で、多少の誤差を許容してもらう
  • 「着金額指定サービス」の利用できる送金方法で送金(保険的に一定の手数料を支払うことで、受取金額が保証される)

送金方法で悩んだら

調べてみると様々な送金方法がありますが、どの方法がお得かというのは、

  • 送金額
  • 現在持っている銀行口座
  • どれくらい待てるのか(送金用の口座開設などをする時間的余裕があるか)
  • 多少めんどくさくても良いか

など、様々な条件によって変わってきますので、今回僕が参考にした下記のサイトなどで下調べなどしてみるといいと思います。

手数料を節約して便利に海外送金する方法

ここは管理人さんがとても親切で、掲示板を覗くと個々の事例に最適なアドバイスまでしているようです。

Payforexで送金

今回は、Payforexというサービスを使うことにしました。

  • 登録手続きが簡単・早い
  • ネット上で両替・送金操作ができる
  • 両替手数料・送金手数料が控えめ
  • 「着金額指定サービス」がある

などが特徴です。

普段は気にしないような為替チャートなんかを睨みつつ、なるべく円高の時を狙って、両替。「リスク回避」とか言って2回くらいに分けたりしましたw(でも実際にちょっと回避できました)

そして「着金額指定サービス」を利用してきっちり送金完了!
FELDERに「送金しました」とメールを入れました。

入金が確認され、Webサイトの表示もSOLDに。

3.Yamato Global Logistics Japanとの打ち合わせ

FELDERとのやり取りと同時進行で、Yamato Global Logistics Japanとの打ち合わせも進めていました。

まず、現地を見てもらって、どんなトラックで持ってくるかという確認。

それと、メールや電話で

  • 見積もりの確認
  • 通関・運送に必要な商品についての情報の提供
  • 運送の日程調整

を行いました。

FELDERからYamato USAに発送してもらえば、その後の輸出〜輸入までを、Yamato Global Logistics Japanがスケジューリング&調整してくれるため、必要な情報を提供するくらいで、あまり難しいことを考える必要はありませんでした。

4.アメリカ国内輸送・出港

いろいろな打ち合わせも終わり、いよいよFELDERから機械が発送されます。

あいにく、FELDERの倉庫が東海岸、Yamato USAの使用する港が西海岸だったため、最初に見ていただいたように、アメリカ横断という形になりました。これだけで約4,000km。アメリカでかい。

そして船に乗り、のんびり1ヶ月半くらいかけて、日本まで運ばれます。
こうなったら、気長に待つのみ。


多分ここら辺の港から出港したと思う…


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5.通関手続き

関税の検査を通過することを「通関」と言います。
荷物の入国審査のようなもので、日本の港に届いても通関が終わるまでは、配達されません。

通関作業は専門的なことが多く、自分でやるのは大変らしいですが(現地に行ったりしないといけない?)、これもYamato Global Logistics Japanがすべて代行してくれたので、ほぼノータッチでした。

ここで検査後、荷物の内容に応じて「関税」や「消費税」が発生します。この金額は大体の目安はあるものの、通してみないとわからないため、個人輸入では、不安なところ。多めに見積もっておくしかありません。

話によると、検査のためX線のレントゲンまでとったそう。ちなみに、検査は税関の判断で追加され、検査費用は後から実費で請求されます…(T_T)

どっちかというと、税よりもそういう諸経費のほうが高かった気がします。


今回の荷物は東京湾に到着後、京浜島の税関↓で通関しました。


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6.配達

さて、通関が終わったら、あとはほとんど心配することはありません。運賃等の諸経費を振込み次第、Yamato Global Logistics Japanが手配したトラックで、指定場所まで配達してくれます。

7.費用明細

個人輸入にかかる費用は、様々な条件によって変わってきますので、あくまでも一例としてご覧ください。

ちなみに、海上運賃計算の元となる荷物のサイズは、

重量:932KG
体積:4.25M3 

と記載されていました。

合計 1,431,355円
 内訳 金額
商品代金等(課税) 本体 $13,559
アメリカ国内送料 $1,286
 小計 $14,835(1,170,168円)
輸入諸費用(免税) 海上運賃 38,186円
現地諸費用 10,548円
THC 5,313円
D/O FEE 3,000円
CHS CHARGE 16,915円
保険料 2,825円
小計 76,787円
通関(免税) 通関料 11,800円
入出庫作業料 10,200円
保税運送料 13,800円
検査料 15,000円
小計 50,800円
通関(課税) 取扱料 15,000円
貨物配達料 55,000円
消費税等 3,500円
小計 73,500円
輸入消費税 48,100円
地方消費税 12,000円
小計 60,100円

関税は無税だったようで、記載されていませんでした。
消費税は、輸入・地方の合計が約60,000円なので、そのまま商品代金の5%程度で計算されたようです。

また、海上運賃より、 貨物配達料(日本国内の運賃)の方が高いことがわかります。アメリカ横断4000kmが約100,000円なので、それと比べても割高感があります(国内は300km程度。まあ、距離だけの問題じゃないですが)。

もともと、国内輸送は割高と言われていますが、今回は混載便の都合がつかなくて、1台貸切となってしまったのも原因です。

まあ、いずれにしろ、輸入前に計算した目標の150万円以下に収まったので、大成功と言えるでしょうヽ(^o^)丿

※正確な価格は知りませんが、同じ機械の新品を日本で買うと、だいたい200〜250万円のようです。やったね!

おわりに

だいぶ長い記事になりましたが、いかがでしたでしょうか。

今回のような特殊な個人輸入をご検討の方は、決して不可能なことではないので、全て自己責任ということだけは忘れずに、チャレンジしてみるのもいいかもしれません。

また、ご質問などありましたら、コメントなどでお送りください。自分の経験した範囲内ならばお答えできると思います。